いかえもん

大菩薩峠 竜神の巻のいかえもんのレビュー・感想・評価

大菩薩峠 竜神の巻(1960年製作の映画)
3.6
「大菩薩峠 竜神の巻」と名前はついているが、第2部でございます。
前回、弟の宇津木竜馬くんと今まさに戦いが始まる…というところで終わったので、第2部は当然その戦いから始まるのかと思いきや、戦いは終わって、机くんに逃げられたところから始まります。えー?!そこの戦いが見たかったんじゃん!と思いながらも、登場人物に死んだはずのあの人の名が…。こ、これはもしや「男たちの挽歌2」と同じ展開なのか?!
お浜ちゃんに双子の妹が?!とか思ってたら、もう一つ上を行くお浜ちゃんに瓜二つの別人が!!!…まあいいでしょう、そんなの、その設定を凌駕するおもしろさがあればいいんですよ。
で、お話は第1部とほぼ同じで、逃げる机くん、追う宇津木くんという話。まあそれもよかろう。時代劇とはそういうもんだ。午後8時から始まって45分になると「この紋所が目に入らぬかー!」って印籠が出てくるもんなんだから。
しかし!しかしだ!終わるところもまた同じかーい!!!

・・・と、ここまで書くと面白くないのねと思うかもしれないんですけど、なんかね、わりかしおもしろいんだな。何が面白いって上手く言えないんですけど、机くんって変だし、怖いし、何考えてんのかわかんないんだけど、お浜ちゃんに瓜二つのお豊ちゃんが夢中になっちゃうのが、なんか、ちょっとわかる…。なんか不思議な魅力がある。悪い男独特の色香というか、弱さというかなんというか。その辺が市川雷蔵の演技の上手さなんじゃないかなぁ。
なんかここまでくるとですね、もはや机くんと宇津木くんの戦いの行方はどうでもよくて、机くんを見たい…、がんばれ机くん!というなんか変な映画の見方になってきてしまうような、そんな魅力がある、と私は思う。
ので、来週の完結編を楽しみに待つことにします。