なちゅん

ドリームガールズのなちゅんのレビュー・感想・評価

ドリームガールズ(2006年製作の映画)
4.3
見事な作品。
完全にストーリーに振り回されてしまった。さりげない伏線の回収なんかも丁寧で、ただの成功物語じゃないところが好き。勧善懲悪だけどそんなに単純じゃないのも好き。
エフィのわがままは確かに手を焼かせるし、やり過ぎよって思うんだけど、彼女は彼女で必死だったっていうのもちゃんと描かれていて、だから切なかったなあ。それはもう、その後で平気な顔してWe’re the familyって歌うドリームガールズに腹立たしくなるくらい。CCすら守ってあげないって何なのよってなったわ。
でもそれも最後にはちょっと甘くない?って思うくらいには丸く収まって、私は私でちゃんと泣きました。だってラストソングめちゃくちゃずるいじゃん……

とにかくビヨンセのオーラと華に圧倒されるんだけど、前半のエフィがリードシンガーの間はそれがすごく隠されていて、ビヨンセだと気付かなかった(私が鈍いだけかもしれない)。リードに決まってからじわじわと花開いていく様が華麗でゴージャスで魅了されてしまった。めちゃくちゃビヨンセかっこいい。
あとエディ・マーフィーのコミカルおじさんなキャラクターを残したままのあの演技は圧巻。コメディじゃないのは分かってるんだけど、あのはちゃめちゃなジミーにはピッタリ。
最後になったけど、ジェニファー・ハドソンのソウルフルな歌声がかっこよくってもー!エフィのワンナイト・オンリーの方が切なさいっぱいで、CCの思いもエフィの叫びも詰め込まれてて遥かに良かった。ディーナの方は歌詞まで変えててほんっとカーティスやってくれたなって感じ。

歌もストーリーもたっぷり堪能できて満足。
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