"イタリアン・ホラー"というジャンルの黄金期を築いたマリオ・バーヴァ監督の遺作であり、脚本は息子のランベルト・バーヴァが担当している
ジョン・スタイナー&ダリア・ニコルディという全盛期のイタリア製娯楽映画を代表する2人の共演というのも個人的な見どころの1つ
"死んだ元夫の怨念が息子に取り憑いて妻と新しい夫に復讐をする"という、今となっては目新しさのかけらもないプロット、おまけにカメラワークや演出が1977年製作にしてもやけに古臭い(良い意味で)
"ブランコにパイロットの旦那の顔写真を貼り付けて揺らすと、本当に操縦していた飛行機が揺れてしまう"という子供騙しのような呪いには笑ってしまった
とはいえ、"廊下の向こうから走ってきた息子が手前で元夫に変身してしまう"というシーンの出来は割と古典的な手法ながら、斬新ではある
後半の畳み掛ける恐怖演出は流石バーヴァといったところ
"イ・リブラ"という結成から僅か3年で解散したイタリアン・プログレッシヴバンドのスコアがこれまた絶妙で、情けないシンセサイザー・サウンドをこれでもかと登場させる