青山

アルフィーの青山のレビュー・感想・評価

アルフィー(2004年製作の映画)
3.5

総力特集:男子のホンネ!


プレイボーイのアルフィーが女性たちと遊びまくりつつ、第四の壁をぶち破ってその人生観を観客に直接語りかけてくる真実のラブコメです。


「‪君の横にいる彼氏は認めないだろうが、男が女を選ぶときはF.B.Bだ。顔、オッパイ、お尻」

と、こんな具合に、画面のこちら側に向かって男子のホンネってやつを赤裸々に語るわけですよ。
彼のいう理屈がいちいちヒドイけど共感できるもので、「確かに人前では絶対言わないけどホンネそれだよね〜」と、画面越しの彼と2人で男子会しちゃいましたね。

そりゃ私かて顔がジュード・ロウならこうなりますからね。うん。序盤は彼女たちの美しい顔や体にぽへ〜〜っとしながら素直に羨ましく思いながら観てましたが......。


やっぱりこんなことしてたらツケは回ってきます。
コミカルでライトな雰囲気は崩さないながらも、物語はだんだんと空虚さを帯びていきます。
誰も本当に愛せない彼は、誰からも本当には愛されない。
便所のじいちゃんの、「そんな愛し合ってたわけじゃないけど......」という言葉が、逆に愛ってそういうものなのかなと思わされたり、だんだん身につまされる格言集のような様相も呈していき......。

最後の方はなかなか切なかったです。
私も恋愛弱者なのでこういうエモーションに非常に弱く、うえ〜〜ってなりましたよね。女性がたくさん出てくるだけに、毎度うえ〜〜のオンパレード。ちょっとずつ違いつつ、みんなうえ〜〜なんですね。はぁ。

ただ、ラストはちょっと蛇足かなと思いました。蛇足というか、終わるかと見せかけてなかなか終わらない。最後の最後まで教訓を読み上げるかのようにこっちに語りかけてくる。そういう作風とはいえもうちょいスマートに終わってほしかったのはありますね。そこまで説明されなくても分かるよ、と。

まぁしかし、全体に20代男子には非常にクる映画といいますか、「これは俺だ!」と思っちゃうタイプの共感ビリティの高い作品でした。


ちなみにマイケル・ケイン主演のオリジナル版は「トラウマ恋愛映画入門」に載ってる(リメイクの本作はその本でディスられてる)ので、オリジナルも気になるところです。
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