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ラバーのmasatのレビュー・感想・評価

ラバー(2010年製作の映画)
3.8
超能力タイアの大殺戮!?
と言ったところだが、臍曲がりなフランス人は、ストレートに撮りません。

意図してトンデモ映画に見せ掛けようとしているのだが、子憎たらしい事に破綻していない。いや、トンデモ・カルト映画をディスっているのだろうか?

なので最初は・・・
ヒッチャー、いや、悪魔のいけにえ、いやいや、トレマーズか?
とその風味を察知しながら、
いや、違う!
NOPE!?
もしくは“81/2 ”・・・
と、引っ掻き回される。

すべては“no reason!”なのだ。
そう冒頭で言っているではないか。

殺人タイアと交互に出てくる人間たちは、一体どちら様なんですか?
すべては人生という映画の登場人物で、誰もが、そんな馬鹿げた祭りの演出家になりたいのだ。如何にも、理屈っぽいフランス映画らしいのだが、一筋縄ではいかない凄味を感じる。凄い、ぞ。

しかしまあ、これはCGなのか?
余りにも実存感があって、恐ろしい映像。
ぞくっするカットの応酬。
奇跡の瞬間を観る。

音楽も異様。

総合して、“謎の映画”。
理由なんてない謎の映画・・・まさしく本作のことかもしれない。

クライマックス、ギョーテンのリーインカーネーションも、驚く。が、こんなことに驚いている事自体が、小馬鹿にされている証拠。
いやいや、さらに、ハリウッドへのインベーション開始!も、やけに納得のラストカット。
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