ペコ

肉弾のペコのレビュー・感想・評価

肉弾(1968年製作の映画)
3.5
ユーモア溢れる反戦映画。
ピリッとゆる〜い雰囲気でとても見やすかった。
太平洋戦争末期の日本。
主人公は特攻の任を受ける。その前に一日だけ、自由外出の許可をもらった。出会った人々に翻弄されなからも、のらりくらりと生きていく。

「悪い時代に生まれてしまった」
青春時代を戦争に奪われる男女。因数分解で何とか理性を保つ姿が面白い。
着飾ることなく、人間の情けない部分が剥き出しで描かれている。腕の無い男の排尿の始末を手伝う女と、主人公の恋愛が対比的。

当時の日本人は人を神と呼び崇めたけど、よーく目を凝らせば、人間がどれだけ阿呆で盲目な存在なのかが分かるはず。それと戦争の空虚さが輪を掛けて笑いをさそう。

あと、前半はずっと雨が降り続けていたけど、中盤は晴れ、後半は海で傘をさす使い方が面白い。

少しファンタジーっぽいけど、戦争の貧しさというリアリティをしっかりと感じる作品でした。
個人的には殺人シーンが全然なかったから、あんまり反戦のメッセージは感じなかったな。ただ何を考えてるのか分からない人間に狂気を感じながら観てました。
でもラストは絶対ゾゾゾッとするはず!
ペコ

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