この映画が面白いと教えてくれたのは「裸の島」の作曲家H氏だった。小生は高校を卒業した年頃。
まったく愉快な映画であった！
小生が強く記憶しているのは……
フランス料理を食べるシーン。誰もメニューが読めないオジさんたちは、前に頼んだ人と同じでいいと注文する中、新人らしき若者が教養深く料理にあったワインを相談しながら注文する。面目をつぶされたオジさんたちが怒りと恥ずかしさで真っ赤になる！
スーパーで食品を指で押しまくる中村伸郎！あ、小津映画の常連さんだと当時ビックリした。キャスティングが絶妙。
カキを取る洞口依子も謎めいて美しく。
家族のために料理を作りちゃぶ台にのせ死を遂げるお母さんの人生。
歯医者の治療で強い臭気を放ち窓を開けるところ。治療の終わったオジさんが食べていたアイスクリーム男の子にあげる。男の子の首にこの子にお菓子をあげないでくださいの札を下げている。
最後の授乳シーンに至るまでアイディアが尽きない。
小生は作曲家H氏に面白い映画ですねぇと感想を言ったら「万作の息子だからな」と言われた。後で調べて伊丹十三監督の父も映画監督であったことを知った。
