佐藤克巳

釈迦の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

釈迦(1961年製作の映画)
5.0
「十戒」「ベン・ハー」に遜色ない大映永田雅一の一本立て大作主義、初の70㎜映画の試み、仏教界の反対運動にも屈せず、5億とも7億とも云われる巨費を投じ、空前の大ヒット、各国に配給され外貨を稼いだ、名匠三隅研次監督の宗教スペクタル映画の最高峰に位置する傑作。シッダ太子/釈迦本郷功次郎の生誕から涅槃入滅する迄が描かれる。ユダヤ教に対するキリスト教と同じ対比で、バラモン教に対する仏教と云う異端宗派の布教弾圧も、本場インド🇮🇳では、衰退しヒンズー教に吸収されてしまうので、日本🇯🇵で製作された意義は十分にある。インドラ神殿が天罰で大崩壊、ダイバ・ダッタ勝新太郎が地割れに落下、釈迦に救済され改心し、安寧の釈迦入滅場面で幕を閉じ、我も救われた気分になる。
佐藤克巳

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