べらし

人間の運命のべらしのレビュー・感想・評価

人間の運命(1959年製作の映画)
3.8
この時代のソヴィエト映画にはどれも、一種の聖性が宿っている
ショーロホフの短編の忠実な映画化ながら、原作で明らかな揶揄を込めて描かれていた教会のシーンの、破れた屋根から差しこむ陽光の聖性の何たることか
斜めの構図で捉えられた、捕虜となった主人公の見る家族たちの幻影の恐ろしさ

本文のイデオロギーなど軽々越えていく、コントロール不可能ゆえの映画の聖性のみがそこにある
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