こそめ

紀子の食卓のこそめのネタバレレビュー・内容・結末

紀子の食卓(2005年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

個人的にはとても好きな映画。「自殺サークル」の前日譚?続編?らしいけど、自殺サークルは未鑑賞。アカウントを乗り換えるみたいに理想の自分に名前をつけて、上野駅54さんが過去を捏造したみたいに理想の自分の信念を作って、演じて、本名の自分から逃げ出して。それを「青春」の一言で片付けた紀子のそれは、ある種の強さなのかもしれない。名前には過去がついて回るから、過去の過ちも何もかも受け入れたということなのだと思う。そして姉の行動をなぞった上でまだどこでもない違うどこかへ行きたいと願った由香のそれもまた、別の強さだと思う。

でも園子温が言いたいのってたぶんこういうことじゃないんだろうな〜だって園子温だし……。

自分の足で立て、と光子は言った。結局光子以外の人間が自分の足で立つ選択をした。1番強そうで指導者っぽく見えた人間が最終的に1番弱かったり裏切られたりする構図は園子温っぽいなと思った。あと最後の由香の選択が、何となく冷たい熱帯魚の最後のシーンで呵呵大笑していた娘を思い出させた。
こそめ

こそめ