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ターミネーター4のmatchypotterのレビュー・感想・評価

ターミネーター4(2009年製作の映画)
3.6
3に続き、4。
これもまた、ターミネーターの歴史の中で分岐したジョンコナーと若きカイルリースの物語。

これまでの作品と繋げてみようとすると時間軸がもはや混乱してくるので、そこはまぁあまり深く考え過ぎない方が良い。

2018年の設定で、スカイネットの前身サイバーダイン社がとある計画を発動し水面下で進行。
その最中にスカイネットが“覚醒”しちゃって、やってきてしまう、、、“審判の日”、が。

だからこの作品の背景は“審判の日”が起きてしまった後。
あれだけそれを阻止せんと暗躍してたのに、もうそれは後の祭りの状態。

しかし、生き残ったジョンコナーは革命軍の預言者的な立ち位置でスカイネットに押され続ける人類の存亡に命をかける。
クリスチャンベイル、この男、やっぱりシャープでカッコいい。

一方でとある計画で産み落とされた存在“マーカス”。彼がこの4作目の象徴的存在。サムワーシントン。
この頃の彼は『アバター』、本作、『タイタンの戦い』あたりのSF超大作に引っ張りダコで急に頭角を表したイメージ。

この2人の、ある意味正反対の盲信的な使命感。

その課せられてる“十字架”、いやもはや“呪い”のような重たい使命感にがんじがらめの中で、その使命感と向き合っても絶望感が常について回る状況下で、這いずり回ってでもただでは転ばない執念。

ジョンコナーが、父親である若きカイルリースが囚われてしまったスカイネットの中枢に乗り込み、マーカスと共に“T-800”と対峙する。

“T-800”と言えば、、、そう、“あの人”。
まさに“あの人”が大量生産されつつある出来立てホヤホヤの状態でジョンとマーカスに襲い掛かる。
その圧倒的な存在感と強さときたら、、、。しかも、あの時よりもデカくないか。

あの歴戦の登場人物達が一同介しつつ。
でも、サラコナーはいないことになっている。
ジョンの父親カイルは、革命軍の正規兵でもないひよっこ。

息子のジョンは捕虜の解放に悪戦苦闘。司令部に作戦を命じられいよいよ総攻撃かとなり意気込むも、マーカスと出会いカイルが攫われたと知るやいなや司令部の命令に背き、捕虜の救出へ。

話の流れは何ら矛盾もなく、あのジョンがマーカスに抱く複雑な心境や、マーカスも自らの存在価値に悩みつつ比較的明確な意志も理解できる。

圧倒的に作り上げられた荒廃した世界と、骨太なアクションと、往年のシリーズの造形を受け継いだ近未来テクノロジー感。

これはこれで壮大で壮絶な歴史の断片として楽しめると思う。

だけども、色々メンバーの年齢や、関係値、何ならお互いがお互いをどう言う存在でどう言う影響力があるか、を既にある程度把握している世界観。

それについては、あまり深く追いすぎないことを推奨。そこは、そういうことで成り立っていると思って観た方が良い気がする。

そういう辻褄合わせに躍起になるよりも、これら様々な歴史の断片が集まって、また新たな物語を作っているということを楽しめば良いのである。

そして、彼らの渋くて勇敢でタフなカッコよさと、ブライスダラスハワードの可憐さと、スカイネット、ターミネーターテクノロジーに圧倒されながら観ればそれで良い。


F:1870
M:21654
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