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東京物語のしおりのレビュー・感想・評価

東京物語(1953年製作の映画)
4.0
書籍「仕事と人生に効く教養としての映画」
で知り鑑賞。私にとって初めての小津作品。

カメラを固定することで、祖母がいなくなった「余白」がやばいくらい伝わる...。これこそ映画ならではの表現方法!素晴らしい!

(ストーリーと全然関係ないけど、あの撮り方だからこそ日本のお家の直線的な美しさが映えてて良かった)

美容師の娘は悪い人、紀子は良い人。と、善悪の描き方が明白すぎて違和感があり感情移入は出来なかった。でもテーマがリアルすぎるので、鑑賞後はみんな自分の家族のことを考えてしまうのでは?
家族ってなんなんでしょうね。
紀子は誰がみても良い人だけど、自分の人生を生きてない感じもする。良い人であることに価値観を持ってるような。

後半、老夫婦「でも私たちは幸せよね」というセリフの深みが凄い。人を許せることって幸せだよね。

終戦から8年後に撮られた映画。今の時代にはない哀愁も感じられて、胸が苦しくなる。
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