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Ricky リッキーのSouのレビュー・感想・評価

Ricky リッキー(2009年製作の映画)
4.0
オゾン先生といえばやはり圧巻の脚本力だが、この作品はとにかく映像が美しい。ハイレベルなコンテンポラリーフォトグラフィー(構図もとてもいい)の羅列のようなシーンの集合体である。そしてさらにストーリー展開としてはまさかで想定外だった。永年のコンビ、フィリップロンビ(別にコンビとロンビで韻を踏みたかったわけではない。笑)のサントラを、先に聴き込んでいた為、この曲ここで来るのかとシーンを先読ませる(結果それは良い意味で裏をかかれるわけだが)演出もいい。
サスペンス的にどことなくヒッチコック臭がしている。BIRD故か。
しかし最後の終わり方はさすがフランス映画の美意識の骨頂といえる柔らかな温もりのある希望の見せ方。アメリカンなガツンとした、眩しい光の希望とは違う。ラストの窓際からソファーに寝転んだシーンはコンテンポラリーフォトグラフィーとして非常にクオリティが高い。
そして多面的にとろうと思えば色々な見方ができる。リッキーの存在、リザの赤ちゃんのおもちゃの存在、カティとパコのワンチャンセックス。全てが皮肉的伏線ともとれる。
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