ヤマダタケシ

獣兵衛忍風帖のヤマダタケシのネタバレレビュー・内容・結末

獣兵衛忍風帖(1993年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

2023年12月 U-NEXTで
・全てのキャラクターが濃い。
└基本的に色気か怪物かのどちらかで、どのキャラクターもビジュアルの味が濃い。あと
基本的にグラマラスか筋肉質。
└特に、主人公が対峙していくことになる鬼門八人衆が、人間ではありながら半分デーモ
 ンというか、魔物みたいな感じなので全員のビジュアルがスゴイ。
→特に最初に現れる鉄斎は、ほぼゴーレムみたいな感じで、彼がヒロインである陽炎を犯そうとするシーン、胸を嘗め回すシーンはほぼ乳房全体を口に含んでいて笑ってしまった。口がデカい。
→同監督の妖獣都市もそうだったが、エロ、マッチョ、醜悪な闇の存在という点が三拍子揃っている。
 これは、多分に意識されている山田風太郎の忍者ものの感じでもありつつ、同時代の漫画『ベルセルク』などにも通じる感覚だとも思う。
└ハードボイルドな世界、男らしい世界を過剰に描いて行くと全てがマッチョに誇張されていく感じがある。
→そのビジュアルの感じはアメコミのキャラクターにも近い感じがして、てか忍者・侍をやりながらそのビジュアルの元にアメコミの影響がある感じは、るろ剣とも近い(多分、相互の影響)
→そしてメインのキャラクターが、醜悪か美貌の二極端で大きく誇張されたビジュアルをしており、そのどちらも物凄くセックスにアピールした感じになっている。
→主人公、陽炎、紅里、百合丸あたりが美貌という意味での極端なのに対し、敵の鬼門八人衆の鉄斎がまさに醜悪な方向でのセックスアピールありつつ、一応味方?方面にいる榊兵部(さかき ひょうぶ)が一番の醜いセックスキャラであり、かつ実際に嫌な感じでセックスしてる。
└敵のボス・弦馬もセックスしまくっていて、とにかくセックスの感じが作中に漂っているのだが、だからこそ主人公のヒロインがセックスをしないことが純愛、のように見える。
└ビジュアルで言うと、セックスに絡まないあたりのキャラクターのビジュアルが特に好
きで、なんというか特にギミックで勝負している感じがある。ギョロ目の沢庵や、身体
が蜂の巣の人、最初に殺されるカラクリサイボーグの人など。

・またバトルシーンがとにかく美しい。
└基本的に様々な能力を持った敵が主人公たちに襲い掛かり、それとの一騎打ちを順番にしていくスタイルなのだが、それぞれのキャラクターが特殊能力を持っており、それによってなんというかシーン自体がそのキャラクターのゾーンに入る感じがある。個人的にはヘビを使う紅里とのバトルシーンが好きで、画面全体が真っ赤になりある種の様式美を感じる。
└とにかくバトルシーンが良く、冒頭の橋の上で獣兵衛がおにぎりを放り投げてキャッチするまでの間に敵を倒すシーンとか凄い。


・一番最初に死んだ鉄斎がなんだかんだ一番強かった気がするし、巨大な鉄ブーメランが順番に忍者を殺していく展開はテンションが上がった。
・鬼門八人衆のボスであり、主人公の宿敵・弦馬が、目だけキラキラしているのがとても不気味。『RED』という漫画の敵も同じようなビジュアルをしていたのだが、そちらの作者が、目がキラキラしている事について仲代達也を参考にしたと言っていて、そのイズムなのか?とか思った。