これは実に楽しいロックン・ロールムーヴィーです。
エピソードの間に入る音楽が最高!
ストーリィ―ももちろん楽しいです。
敏腕だが今は落ち目の音楽プロデューサーのミラーに元裏カジノの帝王だったギャング、マーティーからあることを条件に仕事の依頼を受ける。
それは、
自分の恋人を6週間でスター歌手にすること。
そして彼女には絶対手を出さないこと・・・だった。
しかし、
不覚にもミラーと彼女は惹かれあってしまい、
マーティーから命を狙われることに。
と、
様々な困難がありつつも、
彼女を歌手にしようとミラーは彼女の音感をテストしてみると、
なんと、彼女は音痴であることが発覚し・・・
オープニングから、スタンダードサイズの画面が、シネスコの画面に、
そしてモノクロの画面がカラーになるところから洒落ていますが、
魅力的な彼女が街を歩くと氷が溶けたり、
牛乳が沸騰したり、眼鏡が割れたりする演出が楽しい。
ミラーのもと彼女(ジュリー・ロンドン)の音楽が、酒場から流れてくるときの様子は『カサブランカ』(1942)のパロディのよう。
効果音かと思われるようなサイレンの音(本編をご覧ください)も、
とても楽しくて効果的です。
当時のロック音楽界のスターたちが、
本編で演奏を聴かせてくれるのもいい気分だし、
ギャングの親分が意外な音楽の才能を発揮するところ、
新聞売りの子役の扱いなど、
これぞアメリカ映画って感じです。
ウディ・アレンの『ブロードウェイのダニーローズ』(1984)なんかは、この作品の影響を受けているんではないかと思った。
オープニングからリンクしたエンディングの持って行き方も絶妙で、
思わずニコニコしてしまいます。
ほんとに楽しい99分です。
おススメです!