がちゃん

女はそれを我慢できないのがちゃんのレビュー・感想・評価

女はそれを我慢できない(1956年製作の映画)
3.9
これは実に楽しいロックン・ロールムーヴィーです。
エピソードの間に入る音楽が最高!
ストーリィ―ももちろん楽しいです。

敏腕だが今は落ち目の音楽プロデューサーのミラーに元裏カジノの帝王だったギャング、マーティーからあることを条件に仕事の依頼を受ける。

それは、
自分の恋人を6週間でスター歌手にすること。
そして彼女には絶対手を出さないこと・・・だった。

しかし、
不覚にもミラーと彼女は惹かれあってしまい、
マーティーから命を狙われることに。

と、
様々な困難がありつつも、
彼女を歌手にしようとミラーは彼女の音感をテストしてみると、
なんと、彼女は音痴であることが発覚し・・・

オープニングから、スタンダードサイズの画面が、シネスコの画面に、
そしてモノクロの画面がカラーになるところから洒落ていますが、
魅力的な彼女が街を歩くと氷が溶けたり、
牛乳が沸騰したり、眼鏡が割れたりする演出が楽しい。

ミラーのもと彼女(ジュリー・ロンドン)の音楽が、酒場から流れてくるときの様子は『カサブランカ』(1942)のパロディのよう。

効果音かと思われるようなサイレンの音(本編をご覧ください)も、
とても楽しくて効果的です。

当時のロック音楽界のスターたちが、
本編で演奏を聴かせてくれるのもいい気分だし、
ギャングの親分が意外な音楽の才能を発揮するところ、
新聞売りの子役の扱いなど、
これぞアメリカ映画って感じです。

ウディ・アレンの『ブロードウェイのダニーローズ』(1984)なんかは、この作品の影響を受けているんではないかと思った。

オープニングからリンクしたエンディングの持って行き方も絶妙で、
思わずニコニコしてしまいます。

ほんとに楽しい99分です。
おススメです!
がちゃん

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