シリーズが大台に届いた10作目、かつリブート前のナンバリング最後にあたる記念すべき一本……のはずにして、間違いなく最もアホ…じゃなかった、知能指数が可憐な作品がこちらです。
時はなんと2455年、というかなり振りかぶった設定で、400年以上冷凍されていたジェイソンが回収された宇宙船の中で目覚める!話。
ただ、SFとしての考証なんてものは当然のごとく皆無で、小3くらいのリアリティでものごとが展開していく(※1)。いや最近の小3はもっと賢いかもしれないけれども、なんか外で聞いてきたそれっぽい言葉をとりあえず並べて作ってある感じなのである。
ていうか、舞台が未来だろうと宇宙だろうと起こることは同じであり、乗員がそれぞれの部屋に分かれてイチャコラし初めては順番に殺され、パニックが起こったあとはスタートレックの居抜き物件みたいなセットでかくれんぼ。
よ、400年後でもこうなりますかね?いや、これは人間の愚かさはずっと変わらないという痛烈な風刺を込めた壮大なアートなのかもしれない。
とはいえ、このままでは未来に出た意味がない!と流石に誰かが気づいたのか、後半になると唐突にアンドロイドとジェイソンが対決しだしたり、アレされたジェイソンがアレしたと思ったらアレになったり…と超展開が巻き起こって立ちくらみが止まらない。
なんというか、この映画は人の「おおらかさ」を計測するための優れたツールなのかもしれない。
最後まで一度もツッコむことなく観られたら間違いなく優しく大らかな人である、ということで、自動車教習所の試験とかに入れたら良いんじゃあないだろうか。わたしとしては、パンダでも「なんでやねん」て言うと思うのだけれど。
>>To Be Continued...
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※1:解凍したばかりの大昔の謎の死体をノーマスク更にはノースリーブの金髪美女がかしこそうな顔で解剖する、くらいのリアリティ。