NARITOMO

ボーン・アイデンティティーのNARITOMOのレビュー・感想・評価

3.9
【笑い無しお色気無しのスパイアクション映画って実はすごく珍しいかも!】


見直して改めて感じたことは、この暗くてシビアな環境において一切の笑いなしで映画が終わることがこの映画のカッコいい理由じゃないかと。


いや、これってすごく珍しいと思うのです。特に現代のアクションスパイ映画って途中でユーモアが入るから(それがイケメン俳優のおちゃめな一面で映画の面白い要素になってるんだけども)、どうも最後までハラハラできなかったりしちゃう。
お色気無しなのもGood!!殺伐とした空気が淡々と続くこの感じ、かっこいいです。


個人的にはクールで冷酷けれども人間味があるどこか人間的なでも一部機械的な正確な仕事をする強い彼に投影したい。現実ではふざけすぎてる自分だけど、映画の中だけはそんな男になりたい。そんな時におちゃめなジョークとかギャグ要素はいらない。
おい、今押したの爆弾のスイッチじゃない?逃げろおおおお!
とか、そういうノリはたまにはいらない。笑

そしてこの映画の押しでもあるアクションシーンだけど、なに!なんなのこの格好良さと格好悪さ!リアルなんだけど!そうだよね、実際の殺し合いってこんな感じかもね!BGMも無し、室内で格闘する2人は必死なわけです。2人とも闘う時の型はしっかりしてはいるけど、それは何かの試合じゃない、それは殺し合い。そこにあるものを使うし、綺麗なフィニッシュなんてそこにはなくて、地道な格闘での死ってここまで生々しいものかと思わせてくれるのですね。

あぁー、ラストシーンのボーンの笑顔のためにこの映画を見直して、エンディング曲の出だし「Extreme Ways」のデレーン!デレーン!を聞くたびに次作のデレーン!に期待するわけでありました
NARITOMO

NARITOMO