ちぬちぃぬ

ワイルドバンチ/オリジナル・ディレクターズ・カットのちぬちぃぬのレビュー・感想・評価

4.2
後世の映像作品にいろいろと影響を与えた西部劇の名作✨
サム・ペキンパー監督自身は「黒澤明監督に影響を受けた」と言っていて、それが感じ取れる作品でした
皆、何かしらリスペクトし触発されて創作しているってことですね

メキシコ革命の最中(1910年〜1917年頃)で
本作は1910年という設定
"メキシコ革命"自体を題材に描いた作品ではないんですけど、その頃のメキシコとアメリカの関係性の描写としての意味があります
メキシコ革命の頃とか、もっとメインに取り上げた西部劇は他に沢山あったはず

主人公(パイク)の仲間たち?というかまぁ行動を共にしている窃盗団ですかね
指名手配されている賞金首です
皆、明日は野となれ山となれ的な宿無し男で
恐れを知らない…死んだら死んだでそれだけのことみたいな生き方をしているように見えました

まだ飛行機が発明されたばかりの頃なのか、一部の軍人などは知っているようだったけどパイクたちはまだ誰も見たことがない様子…
自動車を初めて見てテンション上がってましたね
そのくらいの文明レベルって話なんですが、この作品は凄い量の武器が出てきます
殆どが【銃】です

この作品で描かれている、【銃】とアメリカ人の関係性が
"現代の現実社会"と変わってなく見えました
この映画をサム・ペキンパー監督が撮影した当時、(映画内の時代から)100年以上経ってもやっぱ米国はバリバリ【銃社会】やー!とか。。。まさかそんなこと思いませんよね

この作品のクオリティーはとても高くて、この頃だと当然グリーンバックもCGもなく
めちゃ激しいアクションシーン、爆破シーンなど全て一発撮り!
あの橋のシーンも失敗すればまた橋を作ることになるわけだから…それ考えたらマジで全集中の呼吸で作ってる✨
クライマックスの戦争みたいな場面もやり直しなんてないんだなぁ

やり直しがきかないシーンだらけで、撮影したフィルムの長さは新記録だったとか!

映画に動物が出てくると私は気になる事があるんですが
例えばペット的なものや家畜など“人慣れ”している生き物は扱いやすく、コミュニケーションしやすい生き物なら多少は演技もしてくれるように思うんですよ
今回の映画だと、気になったのは【コンドル】です
死体だらけになった場所に非常に効果的にコンドルが集まってくれているので
カメラの死角に餌になる物でも置いて誘き寄せてるんかなー。。。なんてね
慣れてくれる鳥も思った以上にいるので、ヒッチコックの『鳥』の時みたいに
飼い慣らされたコンドルも居るのかな?

最近の(2020年代の)米国ってもうヒスパニック系の人が18%以上らしい
白人の“アメ公“(作品内ではアメ公呼ばわりですので)は今となっては少数派なんだから感慨深いなぁー

【訂正】
1910年設定❌
1913年⭕️かな?

確かそう記憶してました
革命が始まった年より少し後だったはず
もし12年だったら(;-人-)ゴメン