いろんな意味で一筋縄ではいかない作品。
今までの映画と同系列には置けない。
売れっ子作家がある殺人事件の犯人に面会し続けて、真相に迫っていく。
ヒューマンドラマなら、新事実が現れ、、、となるのだが、、
そこはまた後述。
まずは主役フィリップ・シーモア・ホフマン。
僕が彼を初めて観たのはたしか「ハピネス」という映画の変態役。
この映画でアカデミー主演男優賞を獲得したが、こんなに映画スターとしてのオーラがない受賞者もいないだろう。
彼はもちろん映画スターオーラはないけれど、本作での圧倒的な演技力と存在感。
ボソボソと甲高い声、表情は大きく変わらないが、眼だけは何かを常に追う。
神経質でありながら、取材ではかなり突き進む。
犯人の声に耳を傾けようとするヒューマンな面も見せる反面、出版パーティではギラギラした利己的な売れっ子作家の顔も垣間見る。
カポーティ自身の人間性や目的もつかみにくい。
ただ彼は純粋に物書きであり、事実を知りたいという執念みたいなものが彼を突き動かしているような気がした。
書くこと、暴くことは、ブーメランのように作家を襲うものなのか、
この難しい役は、フィリップにしかできないだろう。
殺人事件の真相も含めて、全てを理解てやきた訳ではないし、観客として、とこに気持ちを持っていいのかも悩むところだが、
見応えというか、作品の重厚さはなかなかてあった。
監督さんはあの「フォックスキャッチー」を作った人。
この作品も僕は好きだった。
人間の暗の部分に焦点を当てた作品。
奥深いっすね、次作も楽しみ!