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非常線の女のtosyamのネタバレレビュー・内容・結末

非常線の女(1933年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ボニーとクライド的な根っからアウトロームービーの翻案ととらずどちらかといえば知的なものお洒落なものととらえ。たとえば。あらかじめ強奪先に社員として潜入。会社要人をてなずけ内情をつぶさにしらべあげ。最終的に現金強奪完全犯罪をなしとげようとする。なスパイ映画的もしくはいわゆるワンミッションクライムサスペンスととらえるとしよう。そしてしかしそれがどんどんほつれ縮小化し最後には人情モノにゆっくり崩壊していく。その過程や余白やズレをたのしむ。そんな作品ととらえるとメッチャおもしろくかんぜられる。田中絹代はロリータビッチでその着せ替え人形的なコスプレを存分にあじわうとしよう。微妙にメンヘラ的なところがズイブン魅力的。なにより逆タカラヅカな百合族映画としてのそのプチダーク引きこもり映画具合が抜群におもしろい。まさに下妻物語の系譜。あと岡譲司のどことなくゴスな雰囲気はドンドラキュラブラックジャックチョコラピノコか。子供部屋っぽい愛の巣は生活感希薄じっくり細部までえがかれやっぱりゴスロリ。アメリカンゴシックノワールの翻案として非常に興味ぶかい。
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