死が魅力的に思える瞬間は、意外と日常のそこかしこにある。
それは、向こうには何があるんだろうって思いながらトンネルを通るときの感覚と似ている気がする。
あのさざなみの煌めきの中に入っていったなら、線路の暗がりに吸い込まれていったなら、一体どうなるんだろうって。
衝動というか魔法というか呪いというか。
残された人は溜まったもんじゃないのだけれど、あの瞬間は他のことなんて一切考えられなくて。
じゃあやっぱり呪いなのかもしれない。
能登の雄大な自然と生きる人々の、逞しさと美しさに感動しながら、元日の出来事と能登の現状を思い、
自然を少し憎んでしまった。
追記:原作も読みました。あのおばあちゃんが海から帰って来れたわけが分かった。