予想を上回るすばらしさに、感動。
「阿修羅のごとく」でも遺憾無く発揮された、街や家並みの居住空間へのこだわりも、すでにここで十分映画の魅力に貢献している。小津安二郎へのオマージュがはっきり感じられる絵作りと、尼崎と能登の風景の奥深さ。芸術作品としても、センスの光る作品。
1995年にこの作品は、多くの人には理解されなかったのではないか。
あの時代、こういう映画は「暗い」の一言で片付けられていたはず。是枝裕和の方向性は間違ってなかったし、ようやくこの時代に多くの人がついてきた、ということなのかな。
人の評価や夜世の中の風潮に左右されず、ブレずに自分の作りたいものを作り続けてきた是枝監督に、映画だけでなく教えられることが多い。