もりたま

戦場のメリークリスマスのもりたまのレビュー・感想・評価

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)
4.2
やっぱり人の考え方っていうのは理解に苦しむもので、現代日本を生きる私には切腹文化がなんなのか全く理解もできないし、キリスト教や仏教、神道の考え方なんかも知識が足りない。ローレンスのように歩み寄ろうという姿勢が多様化している世界の住人としてあるべき姿のように感じた。互いに思いを伝え合うことの大切さ、文化の違いを言い訳にするんじゃなくて、互いに尊重、なんか言ってて恥ずかしくなってきた。でもそういうことじゃん。立場とか関係なく、ね、だからきっと酔った原軍曹の「私、今夜、ファーデルクリスマス笑」みたいなセリフが奇妙だけど、愛らしくみえたんだと思う。狂気だったけど、すごく人間っぽかった。鳥肌がだった。最後もね、あのシーンだけは忘れられない。そのあとの音楽も作品の余韻を残して頭から離れられなくした。個人的には主題の曲よりも途中のヴィよーんヴィよよよーんみたいな曲の方がインパクトがあって、肌が覚えている。

坂本龍一とデヴィッド・ボウイの関係も距離を保っていたことや直接の交流がほとんどないこともクライマックスのキスをより印象づけ、この作品の本質みたいなものが私を飲み込んだ。呼吸を忘れるというのを体感した。

切腹と舌を噛み切る2人も含めて、衝撃が大きく、忘れられないハッキリとした画が残る作品でした。

映画館で見たけど寝たのでもう一回観たよ。っていうやつ。
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