サメガミ

戦場のメリークリスマスのサメガミのレビュー・感想・評価

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)
3.6
極上の戦メリを聴ける映画

日本軍が捕らえた捕虜と日本兵のお話。
それぞれの人としての在り方を描いた作品。
序盤は日本兵が捕虜を強姦するところから始まる。日本兵おいてこんな恥ずかしいことはないと、切腹を命ずるハラ軍曹。
しかし自決する必要があるのかと異議を唱える捕虜リーダーのローレンス。
お互いの国の価値観の違いで揉める2人。捕虜であるゆえ頭ごなしに話しを聞かないわけではなく、ある程度対等に話しをするハラ軍曹。
戦争映画なのでもっと激しい制裁や仕打ちがあるのかと思っていたが、意外にも男同士の友情、愛情とは別のなんとも形容しがたい関係性を描いていて、ラストシーンのビートたけし演じるハラ軍曹の笑顔とセリフは名シーンだった。
また坂本龍一演じるヨノイ大佐とセリアズの奇妙な関係性もただ単に愛という表現では物足りず、戦時下という極限状態やセリアズの捕虜達を守ろうとする姿勢、捕虜と兵士という間柄などが生み出した関係性。
終盤の髪を切るシーンは切なくもその一生を讃えるようで名シーンである。
そしてラストに流れる戦場のメリークリスマスは枯渇した喉を潤すように身体中に響き渡る。