ジョンマルコビッチ総統

ディア・ハンターのジョンマルコビッチ総統のレビュー・感想・評価

ディア・ハンター(1978年製作の映画)
3.3
ベトナム戦争を題材にした青春映画。
主人公たちの出征前普通の若者らしい生活を1時間かけてじっくり描写した後、いきなり北ベトナムでの爆撃シーンを映すことで、より激変した若者たちの青春を意識させる。

主人公たちの町の教会の形状や祭壇、結婚式の様子などから、彼らのルーツが東欧スラブ系にあると描写されており、ブルーカラーの比較的貧しい労働階級と思われる。同じベトナム戦争を扱った「プラトーン」で、貧しい者ほど前線に送られるというようなセリフがあったが、本作の主人公らもそのような境遇にあったのではないだろうか。
全編戦闘シーンの戦場映画というわけではないが、物語の根底には多くの若者たちが犠牲になったベトナム戦争への介入という事実が常に横たわっている。戦争が何をもたらすのかをその前後と合わせて描く、そういった意味では本作はやはり秀逸な戦争映画なのだろう。


主人公のマイクをデニーロ、親友のニッキーをウォーケン、ニッキーの恋人をメリル・ストリープが演じているが、少し影のある雰囲気の若きクリストファーウォーケンが大変カッコいいのでびっくりした。
この人ずっとかっこいいな!すごいな!

テーマソングである「カバディーナ」の切なく穏やかなメロディは、名画をさらに忘れ難くさせてくれる。名劇伴である。