Zuma

ディア・ハンターのZumaのレビュー・感想・評価

ディア・ハンター(1978年製作の映画)
3.8
作品の終始を取り巻いている朴訥な主人公マイクを演じるロバート・デ・ニーロに、また惚れ直させられた。

他を寄せつけない、感じで仲のいい友達の間でさえ自分を強く主張し、
悪くいえば協調性のないながらもしっかりと自分がなにかというものが確立しているので
憧憬の念を抱いてしまうような存在だった。

日常生活や、楽しげな酒場のシーン、狩りのシーンなど、普段の日々がとても丁寧に描かれていた分出兵の時は、とても心が痛んだ。
数少ない米国が負ける戦争に行く男の背中はとても勇敢で、堂々としていた。


社会主義と資本主義の戦いである冷戦が“本当の血を流す戦争”になったベトナム戦争。
残酷で凄惨な戦場の日々を乗り越え帰国したマイクの、行動に対しての結果がとても可愛そうで見ていて本当に胸が苦しくなった。
映画前半とはガラッと変り緊張感で喉が詰まりそうになるシーンもありメリハリがすごく効いた濃密な180分だった。


それにしても、デニーロの演技力には脱帽。ラストの胸をえぐられるような悲惨なシーンのデニーロは、本当に良かった。
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