ダンクシー

ノッティングヒルの恋人のダンクシーのレビュー・感想・評価

ノッティングヒルの恋人(1999年製作の映画)
4.1
「シュールだけど楽しかった」

ヒュー・グラント、若い時の色気ハンパねぇなおい!!ローマの休日もいいけれど、個人的にはこっちの方が好き。ギャグの塩梅が丁度いいんですよね。ホントに何度も笑える。同居人のアホっぷりとか馬と猟犬のくだりとか映画館のゴーグルメガネとか。マヌケな仲間達の存在も大きい。何度も笑わせてくれるけど、それと同時に全員が温かい心を持つ善人だから素敵。後半も、仲間の素晴らしさを身に染みて感じましたね。

ハリウッド女優と本屋で働く一般男性の身分違いの恋。非現実的ではありますが、誰もが一度は妄想したであろう、憧れの人間との恋愛を極めて自然に描いたのが本作だ。そして、この映画はそんな妄想恋愛物語ではない。それぞれの持つ悩みに焦点を当てて、人間の心理描写をリアルに描いている。

「でもいい夢だ。またこうしてあなたに会えた」

妹の誕生パーティーでアナが語った、自分の演技はヘタ、二度整形して出来た今の顔、世間の評価と自己の乖離は全て本音。またまたご冗談を、みたいに流されていたけどあれは本心。恐らく、アナは一般人であるウィリアム達の何気ない穏やかな日常に憧れの感情があったのだと思う。本作は、マスコミのしつこさや、流出時の世間の騒ぎ具合など、いかに有名になる事が辛く苦しいものであるかや、上辺だけで満たされない心を描いている。

例えば、ベラという、足が不自由な車椅子生活を送る女性がいる。パーティーで彼女は、足が不自由である事や、子供を産めない事など、不幸話を語る。しかし、彼女は幸せそうだ。いや、幸せだ。それはなぜか、素敵な仲間に囲まれているからだ。マックスという料理は下手でも心優しい夫がいて、ウィリアム達みたいに人を想える優しい友達がそばに居る。
不幸話に場の空気が静まっても、
「信じるとこだったよ」
「そんなに食べたいのか?」
といったジョークで場を和ませて笑わせて不幸な気持ちを吹き飛ばしてくれる仲間たちだ。これは、どれだけ地位や名声、お金があっても得られない。アンは、ずっとそんな仲間を、環境を、求めていた。今までの言動は全てこれで説明がつく。

ノッティングヒルの住人とビバリーヒルズの住人でも、恋は実るんです。お前ら、身分なんか関係ねぇんだよッ!!言い訳すんな〜
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