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狂った果実のtackyのレビュー・感想・評価

狂った果実(1956年製作の映画)
4.0
日本一のスタイリッシュな監督、中平康の代表作ならば、「月曜日のユカ」かこの作品であろう。
ストーリーはどうでもよくて、ひたすら中平監督の映像技術を堪能する作品である。

ファム・ファタールの北原三枝のドレスでの登場シーンなんて、
「駅馬車」のジョン・ウェインや、
「第三の男」のオーソン・ウェルズや、
「悪魔のいけにえ」のレザーフェイス登場シーンに匹敵するほどのインパクトがある。
ラストの俯瞰でとらえたモーターボートが、ヨットに円を描き段々と接近するシーンの緊張感は、半端ない。

石原裕次郎の記念すべき初主演作品で有名だが、くだらない脚本と、下手くそな俳優陣で、観るべきは演出の素晴らしさだけの作品になってしまった。
「密会」でもそうだったが、この時代にしては、ラブシーンの大胆さにも驚かさせられた。
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