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魔女の宅急便のvilljobbaのレビュー・感想・評価

魔女の宅急便(1989年製作の映画)
5.0
去年、旅行でスウェーデンを訪れるときに、この映画の街のモデルとなったゴットランド島のヴィスビーへ行こうと思ってたけれど、時間がなくて諦めることに。

今年のお盆、遂にヴィスビー旅行を果たしたので、帰国後に鑑賞。

本作でキキが訪れる街は、複数の街がモデルになっており、特に強い影響を与えているのがスウェーデンのストックホルムとヴィスビー。
オレンジの屋根、シンプルな淡い色の壁、海に面した港町、城壁、ヨーロッパ感がスゴい路地裏、等々のデジャブな風景がたくさん出てきて、昔から何十回も観てる本作の世界観が、より自分の心に近づいた気がして、とても爽やかな気分に。

ネコちゃんと喋れる魔女が、特異なしきたりに従って新しい街にホウキに乗って訪れるという、当然現実ではあり得ない設定。
けれどストーリーそのものに注目すれば、シンプルに一人の少女の成長物語でしかない。

厳しい現実や辛い経験に直面しながらも、前向きにひたすら頑張って、徐々に街に溶け込んでいくキキの様子は、観ていて勇気が湧いてくる。
最期に街の皆に応援されながら救出活動を行うシーンで、涙涙。
少年少女だとか思春期だとかも関係なく、新しい環境にやってきた人々は誰もがこういった経験をするでしょう。でも、めげずにひたむきに頑張ればいつか周りが認めてくれて、自分がその環境に溶け込めるんだって、教えてくれます。

周りの優しい人々の言動に心動かされたり、冷たい人々の言動のリアルさに共感を覚えたり、キキ以外のキャラクターひとりひとりも重要な役割を担っています。
今回また観てみて強く実感したのが、画家の女性ウルスラちゃんの存在の大切さ。
キキと似たような経験をしたことのある先輩女性として、キキの心を強くしてくれるようなアドバイスをしてくれます。
そんなウルスラちゃんの話を聞いているときのキキの表情が、なんともいえない。
ウルスラちゃんの言葉を胸で直接受け取り、心境に変化があったけど、それを直接表に出してない感じの表情。
わかるわー。

「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」
最高のラストですね。

音楽も大好き。
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