字幕なし英語音声(ドイツ語ではない/助かります)の選択しかなかったので、ハインツ・ヘーガー著「ピンクトライアングルの男たち」を読んで、映画のパンフレットもフリマサイトで入手してのぞんだ。最近映画供給過多状態だから、こんなふうにして観るのもなかなかいいものだった。
戦前のベルリンって性的マイノリティにとってどんな街だったんだろう。新宿二丁目みたいなの想像してるんだけどさ。同性愛者としてSSに捕えられたマックスは、命のために恋人を見殺しにし、同性愛者ではないと「証明」するためにSSの指示で13歳のユダヤ人少女を強姦する(そのシーンはない/助かります)。KZにはユダヤ人(黄色)や同性愛者の男(ピンク)の他に、政治囚(赤)や刑事囚(緑)、ジプシー(茶色)なんかもいたけど同性愛者はその中でも「最低」の扱いをされるからピンクトライアングルよりマシな黄色い星を手に入れるため。「ピンクトライアングルの男たち」を書いた人も、なかなか強靭な精神(と言えばいいのかわかりませんが...)を持っていた。書いてあるKZでの悲惨な虐待にはドン引きだけど(本の方が虐待や拷問の描写がしんどい)書かれていることが正確すぎて、この人ずっと正気だったんだと思った。ハーマンがストレス抵抗性のあるごく少数の例外的な人間として言ってた、「自分の運命は自分で切り開く能力が自分にあると強く感じている人」だったんだな。母親に同性愛者としての自分を肯定されていて絶対に自分が「虫ケラ」ではないと確信していたし、カポの情夫になったりして最終的には自身もピンクトライアングル唯一のカポに上り詰め、実際コントロール力を保持した人だった。事実、KZから生還した中では同性愛者はもっとも少なかったと言うし、生き延びたのはなにかしら犠牲にした結果なのかもしれない(誰か別のひとをという意味ではなく彼自身のなにかを)。黄色い星をつけたマックスとピンクトライアングルをつけたホルスト。みんなのレビューでみた、決して身体には触れ(られ)ない、言葉だけのセックスシーンは切ないより笑っちゃった。いつ殺されるかわからない緊張の日々のなかの弛緩。つらいラストだけど、とはいえ少女を強姦してるんだよなと思ってしまう。たぶんマックスがホルストにそのことでの苦しみを吐露してるシーンがあるんだけどおれにゃ何言ってるかわからなかったし...
日本語字幕ありで観る機会あったら、またちがう感想になるだろう。再上映頼みます。
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日本版DVDなし
渋谷のTSUTAYAにVHSあり
フォロイ〜の方教えてくださってありがとうございます...再投稿にあたり削除してしまったけど、スクショしてある🫶