catman

アメリカン・ギャングスターのcatmanのレビュー・感想・評価

5.0
ネタバレあります

最高クラスの監督と俳優陣による、観客(自分)の期待に見事に応える最高クラスの映画。監督の確かな手腕に加え主演二人の熱演が作品全体のレベルを押し上げているのは明らか。でもって名優はやっぱり声がイイ。

本作も音楽が素晴らしくって、サム&デイブ、ボビー・ウーマックら随所に聞こえる60〜70年代ソウルと並んで、ハンク・ショックリーのファンキーなインストとアンソニー・ハミルトンの新曲が当時の雰囲気と『Superfly』な世界観の醸出が見事。そこへ来てラスト、フランクが15年の刑期を終えて1991年に出所するシーンでガツンと掛かかるパブリック・エナミーの『Can't Truss It』の衝撃!舞台が90年代へ移行した事に直ぐに気付かされると同時にDo The Right Thing (1989)や New Jack City (1991) と言ったブラックムービーを思い出してブワッとアドレナリンが放出されるって寸法。

劇中のセリフにズバリその言葉が出て来るように、スコット監督はフリードキンの『フレンチコネクション』が大好きなんだな。ある種のオマージュと感じられる要素もあり。確かに細かな疑問点は幾つかあるものの、作品全体にとっては大した問題じゃなし(贔屓) 。ただ本作に限らず2通りのエンディングを収録するのにはあんまり感心しない。

『俺を殺したきゃ希望者の列に並ベ。1ブロック先まで伸びてるぞ』ってラッセルのセリフに痺れる。
catman

catman