くるぶし

ナッシュビルのくるぶしのレビュー・感想・評価

ナッシュビル(1975年製作の映画)
3.8
アメリカの闇を皮肉たっぷりに描く群像劇
アメリカの内情をよく知らない頃はハリウッド映画で描かれるような多様性を重んじた自由の国だと信じていた

昨今、特にトランプ以降のアメリカを観ているとよくわかるが、前述はアメリカの一部の側面でしかなく多様性を軽視する過激な保守派の国民も一定数いる。
今作の題名であるナッシュビルという地はどうやら特にその色が濃いらしい。

カントリーミュージックの聖地であり未だフロンティアスピリットの根付くこの街で起こる事件は人々にさまざまなインパクトを与える。

何かを強く強く信じる人たちが、そのコミュニティがその根幹を揺るがすような事件に遭遇したときにどんなリアクションをとるのか。
議事堂襲撃事件は記憶に新しい。それは過去の話ではなく今も続いているし今後も分断は深まる一方だろうと悲観してしまう。

アメリカの保守的側面を学ぶ上で非常に有意義な作品。特にこの物騒な世界情勢の今だからこそ芳ばしく感じられた。
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