アカデミー作品賞、主演男優賞等8部門を受賞した今作。
名作映画の1つとしてたまに題名を耳にするので、
まぁ観てみるか、位の軽い気持ちで鑑賞したが期待以上に素晴らしく心に残る映画だった。
良心の呵責に苦しむ元ボクサーを演じるマーロン・ブランドが…めちゃくちゃかっこいい!!
スマートなかっこよさはないが、無骨で粗野で、でも優しく繊細…というテリーのキャラクターを、表情や仕草でごく自然に表現していて、とても魅力的だ。
勇気を持って正しいと思う道を行くその清々しい姿には爽快さを感じるし、
男とはどうあるべきか、という事を示してくれる作品だと思うので、
男性目線で見るとまた私とは違う感想を持つのかもしれない。
ちょうど今作が制作されたのは赤狩りがあった時代で、監督のエリア・カザンも共産主義の疑いをかけられていた。
結局は他の共産主義の疑いがある人々を告発した事で、自身は免れたらしいが。
その直後の作品ということもあり、テリーの姿に監督自身の姿を重ね合わせていたのではと思うのは深読みしすぎだろうか。