ひでG

エディット・ピアフ愛の讃歌のひでGのレビュー・感想・評価

3.6
お家にあったDVDを整理しよう!シリーズ?で鑑賞。

同じようにお家にあったココ・シャネルの伝記映画と似たところが多い。

その世界でトップクラスの実力と業績

大成功を収めたのに寂しい晩年

一生に一度の恋は成就しなかった

しかも、お相手は、、、で、、

壮絶な生い立ち

そこから這い上がるバイタリティ

でも、一方個性的過ぎるキャラクターは
周りの人々や自分さえも傷つける。

などなど、やはり、トップ、しかも類い稀な才能を持った立つ女性は
何かを犠牲にして、蹴落としていかないと
いけないのかもしれない。

ただ、本作は「ココ・シャネル」より出来が良いと思った。

それは、何より主演のマリオン・コティヤールのキャリア中でもベストな渾身の演技によるだろう。

「ココ・シャネル」では、若き日のシャネルをマリーヌ・デルテルム、老期をシャーリー・マクレーンが分けて演じているが、
本作では、(子ども時代を除いて)マリオン・コティヤールが全部演じている。

47歳でこの世を去ったピアフだが、薬物やアルコールの多量摂取で、身体はぼろぼろ、
まるで老婆のような晩年だったが、
そのメイキャップと背中を丸めた立ち姿が凄い!

2008年アカデミー主演女優賞と同時にメイキャップ賞も受賞しているのも、納得の評価だと思う。

両作とも子どもや下積み時代の壮絶さに比べ、その後の生き様がやや駆け足的で、
この映画も、売れてからの彼女の苦悩みたいなものは、深く抉り出せているとは言えない気がするが、

サブタイトルで、ピアフの代表曲の「愛の讃歌」の場面は、見事な長回りでの場面転換で
ピアフの悲愛の結末を表していて、秀逸であった。

それと、本作では、大道芸、勝負館、キャバレーでのシャンソンショーなど、売れる前の貧民の生活がリアルで、時に生き生きと描かれているところも見どころだ。
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