イチロヲ

ブルークリスマスのイチロヲのレビュー・感想・評価

ブルークリスマス(1978年製作の映画)
3.5
青色の血液をもつ人間の存在を知らされた報道局員(仲代達矢)が、UFOの目撃情報との関連性を探りながら、当局による隠蔽工作に肉薄していく。陰謀・終末論を題材に扱っている、サスペンス・ドラマ。倉本聰がシナリオライターを務めている。

日本中で「オカルト・ブーム」が巻き起こっていた時分に製作された超大作映画。真相を探ろうとする報道局員(仲代達矢)と暗殺任務に就いている隊員(勝野洋)の視点から、「青い血をもつ人間=被差別者」の構図を物語っていく。

正直に言うと「トンデモ映画」に分類される作品。日本国内外でロケ撮影することにより、超大作感を出そうとしているのだが、頑張りすぎて液漏れを起こしている。とりわけ、海外に飛び出した仲代達矢が突撃取材を敢行する場面では、変な含み笑いが誘われる。

物語展開にドキドキさせられるのではなく、「設定にボロが出る瞬間を目撃してしまうこと」にドキドキさせられる。製作者の意図に反したカタチでのメタ構造が含まれている。岡本喜八と倉本聰の化学合成も含めて、個人的には擁護したい珍品。
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