mh

ローマで夜だったのmhのレビュー・感想・評価

ローマで夜だった(1960年製作の映画)
5.0
ローマ解放(1944年6月5日)の前夜を背景としたイタリアのレジスタンスもの。
連合国とイタリア王国が休戦(1943年9月8日)すると、捕虜になっていた連合国軍の兵士は逃げ出したが、ドイツの占領支配は続いている。
逃げ出した捕虜が捕まると収容所に戻されるだけだが、その捕虜を匿ったものは死刑になる。それにもかかわらずイタリア/ローマ市民は当然のよに捕虜を匿ったという前提がスライドで示されてからスタート。
・捕虜を探し出そうとしているドイツ軍。
・意思の疎通が困難な連合国の捕虜三人(アメリカ、イギリス、ロシアと現地のイタリア人)
・なんだかんだでイタリア人は優しいため日に日に危険が増していく。
・ドイツ人がひとり死亡すると、十人が殺される。
・だれかが密告するんじゃないかという疑心暗鬼。
・ご都合主義にはならす、味方だって死んでいく展開。
こんなあたりがサスペンスとして機能しており、ラストまであっという間でした。
もうちょっと発表時期が早ければネオリアリズモの傑作に数えられていたかもしれないという意見がIMDBにあったけど完全に同意だった。
主人公のキャラ造形がほんと良かった。ツンデレであることはもちろん、ブルジョワの娘であることを隠して、尼僧のふりをしてパルチザン活動を繰り広げてた。
ラストの述懐にも納得。
これこそ、おれが見たい戦争映画でした。
ちょっとだけ残念だったのは、アマプラにある短縮版(2:08)で鑑賞してしまったところ。オリジナル版は2:31とのこと。
「ロベレ将軍(1959)」の翌年制作であることも、ソ連兵がセルゲイボンタルチェク(「戦争と平和」の監督・主演)だったのも良かったなぁ。
なんでこれ埋もれてんだろうね。
最高でした。面白かった!
mh

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