ゆき

海洋天堂のゆきのレビュー・感想・評価

海洋天堂(2010年製作の映画)
3.9
平凡にして偉大なるすべての父と母へ

自閉症の息子を二人暮らしの父に末期がんで余命宣告が下された。残す息子が自活するために必要なことを目一杯伝えていく限られた時間を描く。

ジェット・リーはアクション俳優のイメージが強すぎて別人かと思いました。
包容力と垣間見える焦りや孤独がとっても繊細で涙が止まらなかった。
大福の初恋で新たに見えた表情は愛らしくて演じ切った俳優さんにはあっぱれ。
ただこの物語のその先はきっともっと壮絶な時間が待っているのかも、と思うと社会福祉の置かれた現状の深刻さが身にしみる。
海、水族館、雨と水の交わるシーンが特に印象的で久石譲の映画音楽が上品で贅沢な一作。
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