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意志の勝利のmhのレビュー・感想・評価

意志の勝利(1935年製作の映画)
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1934年9月5-10日の六日間、ニュルンベルグで行われたナチ党の全国大会のドキュメンタリー映画でありプロパガンダ映画。
飛行機の影をはらんだ雲海からスタート。次にドイツ国土を上空から眺める。どういうことかと思っていると、ニュルンベルグにやってきたヒトラーの視点という趣向だった。ヒトラーと同じものを観客も見ていたというわけだ。実質VRヒトラーでなにげにこれがめちゃくちゃこわい。
大会前日の様子で豊かなドイツ、未来ある若者などを撮影してから、いよいよ開会式。
ヒトラーの姿、演説を長時間、克明に撮影していることはもちろんのこと、どっから語ればいいのかわからないくらい話題が盛りだくさんのこの映画。
・レニ・リーフェンシュタールの出世作。
・移動撮影、夜間撮影など、撮影技術がすさまじくハイレベル。
・シュペーアの協力があってこそそれらが実現している。
・シュペーアによる荘厳なファシズム建築。
このあたりに注目するのが正しい鑑賞方法だと思われる。
じゃないと、行進が長くて退屈。
ただ、ラスト近くのナチス親衛隊の行進はかっこいい。
欄外トピックとしては、
・長いナイフの夜事件(1934年6月30日-7月2日)直後。
・なのでレームの姿はないが、突撃隊は親衛隊と同じくらいに引き立てられている。
このあたりはあらかじめ知っておくともっと楽しめたのにと思った。ググってあとから知った。
ちょっと知識を入れてから見た方がいい類いの映画ともいえる。
レニとシュペーアによる(賛否はあれど)20世紀を代表する才能の共演は思った以上にすごかったです。
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