きりん

銀河鉄道の夜のきりんのレビュー・感想・評価

銀河鉄道の夜(1985年製作の映画)
3.8
貧しく孤独な少年ジョバンニが親友カムパネルラと共に夢の中で銀河鉄道に乗って旅をする話🚂🌌
宮沢賢治の代表作『銀河鉄道の夜』をアニメーション映画化🐱


全体的に暗い雰囲気でちょっと怖い。宗教的意味合いも多分に含まれているためひとつひとつのエピソードは難解な印象だった。
というのも作者の死によって未定稿のまま遺されたこと、また多くの造語が使われていることもあり様々な解釈が行われていることにもよるのだろう。

一番わかりやすいのはタイタニック号沈没の話。登場人物全てが猫として描写されているのに対してタイタニック号に乗船していた親子のみ人間として描かれているのは実際に起きた事故だからに他ならない。またタイタニック号乗客の中に細野晴臣の祖父が居たらしいが本作の音楽を担当しているのが細野晴臣というのもなにかの縁なんだろう。


本作は原作にかなり忠実に描かれているとの事📕
死を受け入れる事、本当の幸せとは、自己犠牲などがテーマとして含まれていてどこか悲しく切なさが残るものの哲学的に描かれた世界観は心に沁みて素晴らしかった✨



余談…
今年3月に『たぶんこれ銀河鉄道の夜』という舞台を観劇。こちらは上田誠脚本・演出でヨーロッパ企画所属俳優も多数参加でコメディ色強くめちゃくちゃ面白かった✨
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