たか

黒い雨のたかのレビュー・感想・評価

黒い雨(1989年製作の映画)
3.0
 フォーラム仙台企画「原発と核を考える映画特集2」です。1989年の作品ながらモノクロで、1990年の日本アカデミー賞ではほぼ総なめにしています。
モノクロ効果もあってとてもリアルでした。原爆の悲惨さが十分に表現されています。エンドロール(トラックで矢須子が病院に運ばれる様子を重松が眺める場面)がどこか今っぽいですね。
 その中で「人々は悪い方の噂を信じる」と言う人間心理、そして実際はさほど被爆してないのに「被爆してしまった!」と深刻に思う事により、症状が悪化すると言う「心の問題」に触れている所が印象的でした。全くですね。
 ところで、企画に何故この作品を選んだのでしょう。既に始まっている福島県人差別に対する警笛でしょうか。それとも今の放射線量は、原爆に比べれば微々たるもので、案ずるに及ばずと言う事を訴えたいのでしょうか。なかなか微妙な作品選択だと思いました。
たか

たか