toriten45

タワーリング・インフェルノのtoriten45のレビュー・感想・評価

3.1
超高層ビルでの大規模火災を描いた群像劇であり、パニック映画の金字塔ともいえる70年代を代表する大作ですよね。公開以降、テレビで何度も再放送されていた記憶が鮮明に残っています。子供の頃だったので怖い印象しかなかったです。

公開当時の観客にとっては、まるでユニバのアトラクション『バックドラフト』(廃止したのが残念)のような臨場感で、未曾有の大惨事を体感できる衝撃があったことでしょう。CG技術が未発達の時代に、特殊効果や実物のセットを駆使してこれだけのリアリティを表現したことには驚かされます。

さらに、この映画は単なるスリルや恐怖だけではなく、超高層ビルという「人類の技術進歩」の象徴が裏目に出たことによる警鐘も含まれていて、近しい作品として『タイタニック』('97)が挙げられると思います。いずれも巨大構造物がもたらす危機と、それに巻き込まれる人々のパニックを描いていて、悲劇の中に人間の勇気や絆が浮かび上がる点も共通していると思いました。

そして、ポール・ニューマンとスティーブ・マックィーンというスター俳優が共演したことも大きな話題になったのでしょうね。この共演が実現した背景には、当時ライバル関係にあったワーナー・ブラザースと20世紀フォックスが共同制作に踏み切ったという異例の経緯があったそうで、この「大作の裏話」も興味深かったです。マッシュさん、教えていただきありがとうございました。ものすごく久しぶりに再鑑賞するきっかけとなりました。
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