チッコーネ

母の旅路のチッコーネのレビュー・感想・評価

母の旅路(1965年製作の映画)
3.5
基本的に悲劇なのだが、別の人生を生きる『変身モノ』としてのスリルや高揚感が、音楽などへ微妙に反映されている。
所詮メロドラマというにはあまりに起伏が激しく、ハリウッド古典のやり過ぎ感が、濃厚に漂っていて面白い。
ラナ・ターナーは老けメイクを施された顔を堂々と曝しているが、目の周りに本物の小皺も多く見られ、美しさのピークはとっくに超えた感じ。
しかし最愛の我が子と最後の別れを惜しむ場面で見せる表情には、こちらのシニカルな視線を打ち消すような哀感が漂っており、正しく名演。