祭りの後にさすらいの日々を
ひたすらアホなノリの前作から打って変わってシビアなお話。ジェントリフィケーションからのディストピア化という今見ても、なんなら今の方が刺さるテーマながら雄次と耕作のキャラのおかげでそこまで重苦しい気分にならずに見ていられるが、やはり最後には寂寥感が漂う‥そしてラストシーンは揺れるカーテンとそれを見つめる洞口依子!
以下雑感と余談。
-最早使われなくなって久しい単語「クルクルパー」を耳にしてドキッとするとともに100パーセント正しい使い方にニッコリ。
-今作のキーパーソンとなる青柳、最初正義感が強すぎて融通の効かない人と見えたのが次第に明らかになるサイコパスでファシストな人物像、それを寺島進がずっと同じテンションで演じているのが余計に怖い。
-諏訪太郎は3作目から毎回違う役で登場。
-本作のプロットをエクストリーム路線で作ると高橋ヨシキ監督作「激怒」になる。果たしてヨシキ氏がどこまで意識していたかは分からんが、町の名前が同じなのは偶然じゃない気がする。
-黒澤清としては「俺たち何で殺さなきゃいけないの?」「知るかヨ」と言いながら人を殺す物語と、「俺たち何で死ななきゃいけないの?」「知るかヨ」と言って死んでゆく物語もやりたかったんだとか。であるならば(以下コメント欄)