FranKa

ディア・ドクターのFranKaのレビュー・感想・評価

ディア・ドクター(2009年製作の映画)
5.0
医師の医師たる「資格」とは何か;医療とは何かを、考えさせられる作品。

(1) 周りが違和感を持ちつつも、「医師」として、無医村の足りないピースを埋めていたのが、伊野治というその人だったように感じる。周りが伊野を「医師」に仕立てた、という指摘は、あながち間違ってはいないのだろう。

(2) 伊野自身は、決して明確な私欲・悪意によって、医師に成りすましていたわけではないように思う。むしろ、目の前の人を助けたい、という善意から始まったのではないか。これは、果たして「偽善」なのだろうか。足りないピースが何か知っていて、結局都会に戻った、りつ子や相馬の方が、私欲がより強い「医師」とはいえないか。余韻として、数々の問いを喚起する作品だと思う。
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