やっぱ流石だわ、西川監督は。秀作というか、無駄のない教科書のような作品をオールウェイズで提供してくれる。
鶴瓶師匠の演技をあそこまで引き立たせる間と音楽の使い方、そして比喩的な映像、全てが言葉、セリフではなく映像としてつたわる。これぞ映画という感じを2時間体験した。
そんなところで内容の感想ですが嘘をつき続ける罪悪感と自分に出来ることの限界を思う劣等感が随時でひしひしと伝わってきて、不思議と鶴瓶師匠に同情してしまう。医師を演じるのにも疲れるが村の人、周りの人達が鶴瓶師匠を医師にさせてる。案外社会というのは自分という存在を外見だけで判断しているというメッセージ性を強く感じた。けどそんな周りが決めつける自分を演じることが演じてくれることが一種の幸せであり生きることなんだなと最後の笑顔で感じた。
香川照之の聞き込みのシーンで故意に倒れた後に松重豊に「あなた、私を愛してないのに咄嗟に動きましたよね、そういう事なんじゃないですか」っていうシーンになんか全てが詰まってる感じがした。