りっく

ファム・ファタールのりっくのレビュー・感想・評価

ファム・ファタール(2002年製作の映画)
4.4
頻出する水、同時刻を指している時計、分割され繰り返される映像、レズビアン、違う役で登場する人物、ダイヤのペンダント、写真、泡風呂。デパルマの夢想する現実と妄想の境界に、夢の恍惚に身を委ねる幸福。覗く覗かれるというスリリングな関係性、その一線を越える男と女の駆け引き。まさに映画的な興奮に満ち満ちている。

官能的かつ露悪的。本能の赴くままに生きる悪女の物語の爽快感。映画でしか表現し得ない幻夢の世界を舐め回し味わう快楽。映画という夢に幻惑されて溺れることの贅沢がたまらない。
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