もやし

テイク・ディス・ワルツのもやしのレビュー・感想・評価

テイク・ディス・ワルツ(2011年製作の映画)
4.6
クセはすごいけど切なーい。
なんかこういう映画見るの久しぶりかも。
昔はこういう難しい映画ばっかり見てたなー
10年間かけて1500本も映画を鑑賞してると好みも価値観もだいぶ変わってきて、たまに昔のレビューとか読むと恥ずかしくて全消ししたくなります笑
そしてこのレビューも10年後には…笑




ブルーバレンタインで映画的衝撃を受けて以来ずっと気になる存在のミシェル・ウィリアムズ映画。
しかもテーマは不倫。何とキツい。


よくあるこりゃ旦那が駄目だわパターンじゃなく旦那めっちゃ良い人。魅力的。
でも5年も結婚生活してると色々とあるんだな。ちょっとした認識のズレがどんどん違和感として広がっていく。

結婚5周年で映画観に行って料理の美味しい店で無言でバクバクデザート食ってる旦那に何か話してよって言ったら、話題がない、って。私のことを何か聞いたら?と言ってみるも、もう全部知ってる、って。じゃあ何でわざわざ二人でレストランなんかに来たの?って言ったら、美味いものを二人で味わう、それだけで良いじゃないか、と。

なんか変な話興味深いやり取りだよね。俺は結婚はたぶん一生できないから興味深いとしか言えないが。



結構ミシェル・ウィリアムズも不思議ちゃんな感じなのよね。たまに腹立たしい部分がある。



不倫相手もこれまた魅力的。
ちゃんと分をわきまえた人で、既婚と知った瞬間一切のアプローチをやめる。
主人公も旦那を裏切れないと言って何もしない。二人共常にジャブ打ってるような状況。
でもどうしても我慢できなくて居そうな場所に会いに行ってしまう。家がめっちゃ近所なのもデカいよね。

だからこれ厳密には不倫はしてないんだよね。いや不倫か? わからん。難しい。



後半どんどん切なくなっていくところで急激に良い映画に感じた。
結婚生活の愛の深さも、退屈な日々に差す光のような相手の存在も。


でも主人公はまた同じこと繰り返すんじゃないかなあって気が少しする。それを示唆するような描写も少しある。
人生は何か物足りないぐらいが当たり前なのよ、って言葉が妙に響く。

やはり味わい深い難しい映画。




恋愛関係の男女が一対一のときだけに見せる個性的なやり取りってたぶん誰しもやってるんだろうけど、それが気持ち悪くもあり愛らしくもあり、いやこの映画では愛らしさの方が勝ったかな。
「ちょっと思い出しただけ」とかのときはこの気持ち悪さが受け入れられなかったけど、今回はだいぶ作風が違うからか、はたまた俺の心が広くなったのか。笑



オススメは別にしないけど個人的には見て良かったです。
もやし

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