まっつん

ダーク・スターのまっつんのレビュー・感想・評価

ダーク・スター(1974年製作の映画)
4.2
ジョンカーペンター監督伝説のデビュー作!タッグを組んだのはあのダンオバノンと今考えても凄い組み合わせの本作。

とにかく緩くてシュールな爆笑カルトSFって感じでツボにハマりまくりでした!まず設定自体が非常にゆるい感じでして、植民地化の邪魔になる惑星を爆破して消していくというよく分からない任務のために宇宙を彷徨いまくってるというストーリー。そんな退屈極まりない宇宙生活を十数年間続けた結果、乗組員たちはゆるゆるに弛緩しきってしまっていたのです笑。弛緩しきっているならまだしも自分のファーストネームまで忘れてしまう始末...

さらにはエイリアン(といっても明らかにビニールボールに色を塗っただけの代物)をペットとして飼っていたら逃げ出してさぁ大変!とかですね笑。しかもここでエイリアンとの死闘(笑)を繰り広げるのは脚本にも参加しているダンオバノン!ボヨンボヨンと跳ねるエイリアン相手に悪戦苦闘するオバノン、エレベーターに挟まって死にかけるオバノン、最後にはエイリアンを麻酔銃で撃ってしまうオバノンとオバノン祭りです笑。しかもエイリアンに至っては空気が抜けて萎んでしまうという...笑。

そのほかにも爆弾20号との哲学的なやりとりや、脳だけ生きているパウエル船長のすっとぼけっぷりなどなど大爆笑ですね。

特筆すべきはラストですよね!「ちょっと...お前w」と思わせつつも儚くてホロリとさせられる名シーンですね。てか普通に泣きました。退屈極まりない生活をしていたからこそ死を前にしても「おい!面白いことを考えついたぞ!」って言ってユーモア充分に死んで行けるわけです。

映画の作りとしては非常にチープです。エイリアンの造形からも分かるように宇宙船だって爆弾なんか詰めて一個ですよ笑。そこで2個目がニュッと出てきたときにはもう爆笑。しかも20号って書いてあるし笑。それでも要所要所でキラリと光る何かを見せつけてくるカーペンターとオバノンの才能に食らわされましたね。このあと彼らが世界をあっと驚かせるような作品を多く作っていくことは誰の目にも明らかな名作だと思います。