垂直落下式サミング

ダーク・スターの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

ダーク・スター(1974年製作の映画)
3.9
カーペンター監督のデビュー作。
特筆すべきは、宇宙船ダークスター内部にみられる生活感溢れる小物へのこだわり。男所帯の乗組員を有する船内は、『ベーリング海の一攫千金』に登場する遠洋漁船の内部のようで、小汚い敷布団が無造作に並べられた仮眠室の壁に貼り付けられた女優のピンナップ写真や床に散らかったトランプ等の小物がリアルで高校の男子寮を思い出してしまった。本来ならミレニアムファルコン号にも、チューバッカの毛むくじゃらエロ本くらい転がってないとリアルとは言えないのだ。
クルーの一人が逃げた風船生物を追って船内を奔走し、ミサイルは哲学的な自問自答に入ってしまう馬鹿馬鹿しさは満載。特にエレベーターが昇降するシーンが秀逸で地味な場面なのに手に汗握るアクションシーンとなっている。デビュー作にして、後にB級の名手となるカーペンター監督の恐るべき映画力が光る最高の爆発オチ映画。めんどくさいんで爆発します感がすごい。