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アルマゲドンのEyesworthのレビュー・感想・評価

アルマゲドン(1998年製作の映画)
4.9
【地球滅亡の危機に立ち向かう採掘戦士たち】

マイケル・ベイ監督、ブルース・ウィリス主演の大ヒットSFパニックアドベンチャー。

〈あらすじ〉
ある日、恐ろしいニュースが地球上を駆け巡る。地球への衝突コースを取る巨大アステロイド(小惑星)が発見された。もしも、テキサス州の大きさにも匹敵するその小惑星が地球に激突すれば、人類の破滅は免れない。これを回避する方法はただひとつ、小惑星内部に核爆弾を設置し、内側から破壊するしかない。そしてその任務に選ばれたのはハリー(ブルース・ウィリス)率いる石油採掘のスペシャリストたちだった。刻々と迫る滅亡へのカウントダウンの中、人類の運命を委ねられた14人の男たちは小惑星へと飛び立った…。

〈所感〉
地球の未来を守るために決断をした主人公ハリー演じるブルース・ウィリスは言うまでもなく最高にクールだが、娘を託した弟子のような熱い男AJを演じたベン・アフレック、無類の女好きで終始周りを困惑させる狂人(強靭)ぶりを発揮したロックハウンド演じたスティーヴ・ブシェミ、屈強な見た目に反して情に厚いベアーを演じたマイケル・クラーク・ダンカンなど個性的な脇役陣を固めた隙のないキャストが最高だった。特にスティーヴ・ブシェミは『レザボア・ドッグス』や『ビッグ・フィッシュ』で強烈な印象を残し、今回も独特の存在感を見せて個人的に好きな俳優になった。宇宙アドベンチャーSFといえキューブリック『2001年宇宙の旅』ノーラン『インターステラー』という古今の双璧があるが、この作品は宇宙飛行士がメインではなく、あくまでも地球を救うのは宇宙に関してはド素人の一地球人達であることが大きく異なる点だ。それが見ている他のSF以上に我々の心を大きく揺るがす。彼らが今地球の命運を賭けて戦っているんだ!というドラゴンボールのセルやブウと戦う悟空達をモニターで応援している地球人のような気分で、ハリー達の行く末を見守っていた。正直、最初こそリヴ・タイラー演じたハリーの娘のグレースがしゃしゃり出て邪魔な女だなぁと思っていたが、物語が進むにつれ彼女の存在が遥か遠くの宇宙で奮闘するハリーとAJの生きるモチベーションになっていたのだから感動する。私が生まれた頃に、これほどまでに壮大な規模のストーリー、大迫力のアクションを実現させられる撮影技術が備わっていたことに驚かされる。前半の地球での個性的な採掘師達のふざけた愉快なパートから、後半の宇宙での予想外な出来事の連続からなる緊張感あるシリアスなパートへの引き継ぎのギャップが、誰もが楽しめる総合娯楽として超一級品であった。また、キューブリックファンとしては、ロックハウンドが『博士の異常な愛情』のコング少佐の水爆ロデオについて言及していたのが嬉しかった。
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